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フォトエッセンス 作品撮影テクニック講座 (1-7) ~色を合わせる(ホワイトバランス)

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Posted by Velvia

2013年7月18日 公開

写真の印象と、作品撮影の重要なファクター、色合せ(ホワイトバランス)についてご紹介します。


光の色と、色温度

光には、電磁波の一種で、その光の波長によって「色温度」と呼ばれるものがあり、それは、私達の目で見るときの色を示しています。

日常で、光の色を感じる機会は多くあるでしょう。たとえば、喫茶店などで使われている電球は、オレンジ色の光を出していますし、ビルや外灯にある蛍光灯はやや白い感じのする光を出しています。
車のヘッドライトも、やけに白く光っている車もあれば、古い車はオレンジ色に光っているように見えます。

これらの光の色の違いは、光源である「電球」「蛍光灯」などが、発している光の色温度が変わるためです。

色温度は、温度と異なり、ケルビン (K) という単位で数値化されており、色温度がわかれば、それがどのような色かがわかります。

一般的に、昼間の太陽の色温度が 5500K で、色温度が高くなるほど青っぽい色になり、逆に色温度が低くなるほど赤っぽい色になります。

A は青い曇天の色(約6500K)
B はやや赤い蛍光灯の色(約4200K)
C はとても赤い電球の色(約3200K)

人間の目は、たとえ光源の色温度が変化しても、「本来白色であると思い込んでいる物体は、白色であるように見える」という特性があるため、日常的にはそこまでハッキリと色温度の違いを認識しません。

その例として、普段会社や自宅の室内で使用している蛍光灯は、白色の光だと思い込んでいますが、ほとんどの場合はオレンジ色をしています。(市販されている蛍光灯には、昼白色・昼光色・白色等の種類があり、昼光色タイプの蛍光灯であればほぼ太陽光と同じ色です)

しかし、蛍光灯に照られた夜の街中を歩いていると、喫茶店などの電球色は明らかに「オレンジ色の灯りだ」と思うはずです。


白色を白色として写す(ホワイトバランス)

カメラは、光の色(色温度)が正確にわからないので、本来白い被写体も、例えば赤色で照らされてしまうと赤く写ってしまいますし、青色で照らせば青く写ります。

そこで、カメラには「ホワイトバランス(WB)」と呼ばれる設定で、被写体を照らしている光源の色温度を設定することができます。

カメラは、ホワイトバランスに設定した色温度の光源で写したとき、正確にその色が写るようにしてくれます。

カメラのホワイトバランス設定画面

(Nikon製 D5000 の場合)

たとえば、下図・上のようにホワイトバランス設定を太陽光の 5500K にしたとき、実際に被写体を照らしている光も太陽光であれば、正確な色で写ります。このように、被写体の色が、本来の色で写真に写るようにする事を「色再現」と言います。

上図・下は、いずれもホワイトバランス設定が太陽光(5500K)となっていますが、実際に移している被写体を照らしているのは、電球(3200K)や昼光色蛍光灯(6500K)です。 この場合、ホワイトバランス設定が正しくないので、写った写真を見ても色が変わってしまっています。

作品・商品では、写真の色が実物と異なると大きな問題があります。正確に、色を再現して、実物の色どおりに写真に写す事(正確に色再現をする事)は、大変重要なのです。

白色蛍光灯(4200K)の照明で、カメラのホワイトバランス設定も白色蛍光灯(4200K)にして撮影。白が白く写り、正確な色再現ができています。


ホワイトバランスを設定しても色が合わない?

カメラのホワイトバランス設定には、あらかじめ太陽光(晴天)や電球、蛍光灯など一般的な光源の中から選ぶことができます。

右のように、より細かくホワイトバランスで使用する光源の種類を選んで設定することができるカメラの場合、より正確な色再現ができます。

しかし、実際にはカメラにあらかじめ用意されているホワイトバランスの種類では、正しく選んだつもりでも、どれを選んでも正確な色が再現できない場合があります。

カメラによっては、蛍光灯だけでも複数の種類の蛍光灯を選ぶ事ができる場合があります。

(Nikon製 D5000 の場合)

マニュアル・ホワイトバランスでより正確な色再現

多くの原因は、使用している光源が正確な色温度で光っていなかったり、部屋の壁の色や、反射した色によって色温度が変わっているためです。

その場合は、「マニュアル・ホワイトバランス機能(プリセット・マニュアル)」と呼ばれる機能を使って、より正確な色再現ができます。

※使用されているカメラによっては、マニュアル・ホワイトバランス(プリセット・マニュアル)と呼ばれるような機能が無い場合があります。

マニュアル・ホワイトバランスによる、ホワイトバランスの設定方法は、ご使用のカメラの使用説明書等を参照してください。

マニュアル・ホワイトバランスを設定している様子


イメージ写真は、不正確な色温度にする?

常に、正しいホワイトバランスを合わせて、本来の色できちんと写す事が正しいわけではありません。

もちろん、作品のカバー写真や説明写真などは本来の色で、誤解を与えないように写すことが常識ですが、イメージ写真ではその常識を無視することで、よりドラスティックに演出する手段ともなります。

元写真

太陽光とほぼ同じ色で光る、昼白色蛍光灯(5000K)で撮影。ホワイトバランスも昼白色蛍光灯(5000K)にしているので、正確な色再現がされ、本来の色で写っている。

ホワイトバランスを日陰(7500K)にして設定すると、オレンジ色になり、晴れた日の夕暮れのようなイメージで温かみが増す。

ホワイトバランスを電球(3000K)にして設定すると、青色になり、シャープで朝のようなイメージで冷たさが増す。

上の作例のように、色を正確に写すだけではなく、あえて正しくないホワイトバランスに設定して、赤みや青みをつけた写真を撮ることもできるのです。

正確な色を写す場合と、そうでない場合をしっかりと認識でホワイトバランスを設定して、写真撮影をしましょう。

作例の撮影セット

上の作例は、背景に「DIY ショップで購入した室内用壁紙」を背景紙に使用して、ディフューザー(トレーシングペーパー)越しに主光を左後方から照らしています。 やや逆光気味になるので、主光の反対にレフ板を置いて右からの補助光としています。

>豆知識 ~色温度(K)と温度(℃)

写真とは関係ありませんが、色温度はその名のとおり、発光している物質の温度で変化する光の色の違いを意味しています。(正確には熱力学的な温度)

日常使う温度(℃)に 273.15 を加えたものが、色温度(K)となっています。 たとえば、ロウソクの温度は約 800℃で、色温度は約 1,000K となります。また、太陽の表面温度は約 5,000℃で昼間の太陽光の色温度は約 5,500K です。 そして、物理上もっとも低い温度である絶対零度(−273.15℃)の時の色温度は、0K となります。

つまり、色温度が低い(赤っぽい)ほど発光体の温度も低く、色温度が高い(青っぽい)ほど発光体の温度も高いのです。

ただし、単純に色温度が発光体の温度というわけではなく、1,000K の色を放つロウソクに、青色のセロハンをかざせば、青色セロハンを通過した光は白っぽくなり、色温度を高くすることもできます。

※実際には、太陽光などは大気の青色等の影響を受けて、色温度が変化して地上に届いています。 ※色温度は、人間の目が認識する色と比例しないため、人間の目で見たときの色の違いを表す場合は、逆色温度の単位であるミレッド (M) 等を使用します。

マッチは、点火直後 2500℃(約2800K)にもなる。

© Sebastian Ritter. CC BY-SA 2.5

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