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東北手仕事支援

大震災を未来に伝える記憶の鍵(みやぎ復興ガラスペンダント)

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Posted by crapaca

2012年8月24日 公開

東日本大震災の津波で大きな被害を受けた宮城県沿岸部。
この未曽有の震災があったことを後世に伝えるための鍵として、被災地で拾い集めたガラスと、採取した砂を使って作られている「ガラスのペンダント」。
そのペンダントを障がい者の方達と共に作っている、ガラス作家の後藤洋一さんにお話を伺いました。

(↑二種類のペンダント。左/みやぎ復興ガラスペンダント・右/三陸の思いを込めて)

被災地で拾い集めたガラスでペンダントを作っているとのことですが

はい、2種類あるんですが、「みやぎ復興ガラスペンダント」っていうのが被災地のガラスを拾い集めて、洗浄してペンダントにしているもので、もうひとつ「三陸の思いを込めて」っていうのは被災地の浜の砂を採取して、それをガラスに挟んでペンダントにしてるんです。

「三陸の思いを込めて」の方は被災地のガラスではない?

ではないんです。通常の板ガラスです。
というのは、やっぱり亡くなっている方がたくさんいるので、それを考えると気持ち的に無理だっていう方が(被災地域に)結構いたんです。

当然ですよね。親族や周りの方の誰かが亡くなっているわけですから、そういう複雑な思いがあるっていうことなんです。

ただ、でもこっち(みやぎ復興ガラスペンダント)を欲しいっていう人もいるんです。思い出に欲しいという人や、(震災を)忘れないために欲しいという人もいるわけです。

では、どうしたら良いだろうと考えた時に、じゃあそれをもっと、なんていうか(思いを)薄くしようっていうか、気持ちを汲んだ形でできないかということで思いついたのが砂だったわけです。➚

砂はどちらから採ってこられるんですか?

南三陸町の歌津と志津川、あと松島の月浜や石巻の雄勝に行って採取しています。で、それを板ガラスに挟んで焼くわけです。

震災後すぐに作り始めたんですか?

いえ、震災直後はこの辺り(登米市)も震度6だったんで、壊れた建物も結構あって、ライフラインも全部繋がってないんで、2週間位はなんかボーっとして…いや、ボーっとしてたっていうか、何したらいいかわかんない、何もできない状態だったんですね。

あの時はこの店も(作品が)全部倒れて、3分の1くらいは運良く残ってくれたんですが、めちゃくちゃだったんで。

ただ地震に関してはどこも同じでしょうけど、その後の津波で追い打ちを食ったのはやっぱり浜のほうなんで、大勢の方が亡くなったので…でも沿岸に行こうと思っても、警察や自衛隊の邪魔になるだけですから、結局動き出せたのは2~3ヶ月経ってからですね。➚

↙最初はボランティアに参加して、そこで石巻の方といろいろ話をしたり聞いたりする中で、そこから少しずつですね。やっと「何かしよう。自分に何ができるか?」って考えだしたのは。

で、南三陸に行ってみたんですが、最初行った時は今みたいに綺麗じゃなくて、瓦礫が散乱してて、道路も水に浸ってて、港も全滅してるし。車で走っててもまた津波が来るんじゃないかって怖かったり。

そんな中で残った人たちがゴミを拾ったりしている状況で、その時ですね。ガラスが散乱しているのを見て「これを拾って何かやろう」って。これを(震災があったことを)後世に伝えるための鍵にできたらって。そう思ったのが(ペンダント作りの)始まりですね。

障がい者施設の方々と一緒に作っているということですが

はい。障がい者の皆さんにも手伝って頂いています。ゆっくりですが、皆さん1個1個一生懸命手作りしていますね。私も毎週月曜日に施設に行って、一緒にやってます。

施設の方にはどういった部分の作業を手伝ってもらっているんでしょう?

焼く前にガラスをこう…パズルのように組み合わせたり、あと穴あけをしたり、紐通しをする人もいますけど、少しずつできるところからやってもらっています。まあ全てはできないんですけど、少しずつですね。

穴あけも(最初は)結構失敗もあったんですけど、今は慣れてきたので大分出来るようになってきてますね。

やっぱり作るのは難しいですか?

難しい…というか、作業事態は慣れればなんとかなるんですが、やっぱり時間がかかるんですよね。電気炉に入れて3日間。そこから出てきて冷やしてから穴を開けて、次に多少バリを削って、磨いて、って感じで結構手間がかかるんで、すぐには出来ないですね。

あとガラスの組み合わせも結構時間がかかるんです。全部同じ物を作るんなら早いんでしょうけど、でもこれは形が決まってないんで、流れ作業でできないんです。

だからこのガラスの組み合わせを障がい者の人達がやるとすっごく悩むんです。「これどうやってやればいいの?」って感じで。

そこは任せるんですか?個人個人のセンスに

任せます。逆にそれをした方が、彼らも頭を働かせるので、かえっていいのかなって。
組み合わせの作業の後「すっごい疲れた」って、数個しかできてないんですが「すっごい疲れた~こんなに頭を使ったのは久しぶりだ」って、だから逆にこれでいいのかなって思ってるんです。

ただガラスを重ね合わせているようですけど、意外に結構大変なんですよ。でもだからこそ同じ物がないと。そいう意味で大変ということですね。

1 回でどれだけの数を作れるんでしょう?

炉の中にはだいたい 100 個くらい入ります。でも焼きあがってからも、そこからの作業があるんで。同じものだったら同じように切って、焼いてそれを流れ作業で重ねていけばいいわけですけど、形も同じじゃないんで、一度にたくさんは出来上がらないですね。

全部違うわけですもんね

そうなんですよ。ガラスの形や組み合わせも違えば、砂も違いますから。➚

↙砂ってみんな同じように思えるんですが、意外に(採取する)場所によって違うんですよね。色とか、粒とか、鉱物が多いとか、貝殻のようなものは焼くとほとんど白っぽくなっちゃいますし、鉱物のようなものは金色のようになったり、土っぽくなったりとかしますから。

同じのがないから買う方も悩むんです。どれにしようって。優柔不断な方は「選べないから選んでくれ」っていう方もいらっしゃいますね。

でもそういう同じ物がないっていう、一点モノっていうところに惹かれる方が多いんだと思います。

これからもずっと作り続けて行かれるんですか?

私はそもそも作家なので、支援はもちろん続けていきますけど、自分が作る分は減らしていこうと思っています。もちろん自分のオリジナルのペンダントは作りますよ。でも支援としてのペンダント作りは出来れば誰かに譲っていきたい。

被災地から、その土地の人たちが直接自分たちでやれば、多少はお小遣い稼ぎにもなるでしょうし、より思いも伝えていけるだろうし、そういうふうに徐々にやれればなあと思っています。

実際にいくつか作りたいっていう話があるんで、この前も(南三陸町の)歌津に行って教えてきたんですが、やっぱり彼らは彼らなりの考えがあって、彼らのブランドで出したいということなので、それに協力しているところです。➚

↙時間はかかると思うんですけど、これで手に職をつけて、地元でオリジナルガラス作って、気持ちが形になって、それが収入にちょっとでもなったらいいなって。

私は押し付けるようなことができない性格なんで、宣伝とか大きなことはできていないんですが、幸い私の性格を知って応援してくださる方が多いので、自分が出来る分だけ(ペンダントを)作って、売った中から義援金を出す。それを気長に続けていこうと思っています。

被災地からは遠くに住んでいる方の中にも、何かをしたいと思ってくれている人は多いと思うんで、その何かしたいんだけどできないというところが、みんなあると思うんで、そういう方に(ペンダントを)手にとって頂きたいですね。

ペンダントが、未来の子供たちにこの震災のことを伝えていくキッカケになってくれれば、それが願いでもあります。

(お話を伺ったガラス作家の後藤洋一さん・『あーと硝子ショップ Casa Vsso』にて)

(了)

販売店舗について

「みやぎ復興ガラスペンダント」と「三陸の思いを込めて」は後藤さんのお店でもお買い求めいただけます。

所在地 :
〒987-0702
宮城県登米市登米町寺池桜小路 103

あーと硝子ショップ「Casa Vsso(カサ・ヴァソ)」
公式サイト http://casavaso.blog.shinobi.jp/

電話 080-1839-7215
※営業日時についてはお電話にて直接ご確認ください。

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