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作家さんインタビュー

考える人がいなかっただろうって事をやりたい。――消しゴムはんこ作家・田和サトミさん

作家さんインタビュー 消しゴムはんこ作家「田和サトミ」さん
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Posted by crapaca

2013年8月19日 公開

クラパカ・作家さんインタビュー。記念すべき第1回目は、消しゴムはんこ作家「田和サトミ」さんにお話を伺いました。
田和さんは岡山県で活動をされている作家さんで、JESCA(日本イレイサースタンプ振興会)の代表でご自身も消しゴムはんこ作家の「やまだひろゆき」さんからご紹介いただきました。

聞き手 : ――早速ですが、田和さんははんこを作り始めて何年くらいになるんでしょうか?

田和サトミさん(以下、田和) : 8 年くらいですかね。でも、ずっとコンスタントにやってるんじゃなく、合間合間にやってるんで、最近始めた人でもバーっとやってる人よりは、(期間は)少ないかもですね。
毎日 1 個は絶対彫るって人もいるけど、私はブログもなかなか続けられないので。
だから、みんなスゴイなって思います。

消しゴムはんこ。

(津久井智子著・主婦の友社・セレクトBOOKS/ISBN 407248881X)

津久井智子さん/オーダーメイドの手彫り消しゴムはんこ工房「はんこや象夏堂(しょうかどう)」を営むかたわら、テレビや雑誌、書籍、イベントを通して、消しゴムはんこの楽しみ方や活用法を発信している消しゴムはんこ作家。主な著書に『消しゴムはんこ。』(主婦の友社)、『かんたん、消しゴムはんこ。』(宝島社)、『消しゴムはんこ。はじめまして。』(大和書房)などがある。

聞き手 : ――消しゴムはんことの出会いは?

田和 : 本なんです。本屋さんに行って、消しゴムはんこの本を見て、消しゴムはんこって何だろうって。
見てみると、凄くおしゃれだったんですね。はんこを押すと、ノートがこんなにかわいくなるんだ!っていうのが衝撃で、私もやりたいなって思って。あ、その本を持って来ました。

聞き手 : ――あ、津久井智子さん。この方の名前見たことがあります!

田和 : 有名な方ですからね。私、同じ歳なんで「わ、同じ歳でこんなことやってる人がいるんだ!スゴイなこの人!お洒落だな!」って思って。
作り方が(本に)書いてあるんですよ。なので、見よう見ねで始めたんです。そうしたら、案外ちゃんと出来ちゃったんですよね。(笑)

聞き手 : ――確かにこの本を見ると、作ってみたくなっちゃいますよね!

田和 : そうですよね!(本を見ながら)あと布とかにも押せるんだ~って。私、人と同じ物があんまり好きじゃなくて、服とかに押すといいなぁって思って。

聞き手 : ――(他のページを見ながら)あ、陶器にも押せるんですか!?

田和 : そうなんです。一応剥がれてくるかもしれないんで、食べ物のつくところには押さないでくださいとは、書いてるんですけど、陶器にもいけるんです。こういうのが結構いろいろ網羅された本なんですよ!結構友達にあげてます。
この前プレゼントしたのは、タンクトップだったんですけど、一面が星空で、土星とか地球とか散らして作りました。前に、応援してるバンドマンにも T シャツをあげたんですけど、それはクタクタになるまで着てくれてましたね。

私の作ったはんこ、どこに押すんだろう?

田和 : 私、雑貨屋さんに(作品を)置かしてもらってて「コレ売れたんだ!?」っていうのがあって、その人を見つけられたら「何に使うんですか?」って聞きたいって思ってるんです。(笑) 結構作りたいものを作るんですけど、「あー、そうなんだ~」ていうものが売れたりするんですよ。

聞き手 : ――作ってる本人が、「これは売れないだろうな」と思ってるってことですか?

田和 : そうです。私は好きだけど、サイズ的に大きかったりとか、趣味で作っちゃったなぁとか、そういうのが売れると「あ、売れたんだなぁ」って。(笑)私の意図していない所でみんな考えて(はんこを)押すんだなって。
私、あまり押すイメージが湧かないんですね。普段、パソコンを使う仕事をしてるんで、その反動で手作りをしたくなってるんだと思うんですけど、作った先が想像つかないというか。作って、そこで私は満足しちゃうんですよ。

聞き手 : ――作る人はそうかもしれないですね。作ってもらう人からすると完成した物を手に入れてからがスタートですもんね

田和 : そうなんですよ!私、屋号というか「雑貨屋 Story」っていう名前をつけてるんですね。私は自分の中で組み立てて、これを作りたいと思って、完成させるまでが私の物語。で、買ってもらった人は、そこからスタートする物語を作ってくれるんじゃないかなって。
だから「Story」って名前でやってるんです。

物語の込められた、はんこ。

聞き手 : ――作品のこだわりや特徴は、どんなところでしょうか?

田和 : こだわりは…そんなに無いんですけど、特徴はあると思います。
私、動物とか子供が好きで、特に動物が多いんですけど、シュールなんですよね。無表情なんです。何があっても無表情。あとロボットも好きなんですけど、こっちは表情豊かに。無機質なのに感情のある感じで…。
考え方が変わってるのか、そのギャップが凄く好きなんですけど、好きなのは私だけなんですよね。だから、ロボットはあまり売れないんです。

聞き手 : ――売れなくても、自分の好きなものを作りたいですね

田和 : 動物は売れるんですけどね。動物は無表情なのに良いんだ?って思います。
動物のはんこって作ってる人多いじゃないですか。可愛いのが多くて。だから、同じ顔になるのが嫌で、動物は全部この顔って決めてるんです。 私、可愛いらしいっていうのがあんまり作れなくって…。
こういうの(消しゴムはんこ)が好きな人って、ちょっとファンシーな感じで、ナチュラルな感じが好きっていう人が多いんですけど、私、元々バンドマンでドクロが好きっていう感じなので、その人達がいいと思うものがわからないんですね。
だから、(その人達に)いいと思ってもらえるものを作るとかじゃなくて、自分が絵を描いてみて、面白いんじゃないかな?っていうところから始まっちゃうんです。物語が。

聞き手 : ――物語が動き出して、作品ができるわけですね

田和 : そう、そうなんです。これとかも、トラは静かに本を読んでるけど、網がかかったらウサギヤバイぞ!みたいな。(笑)
私は(はんこを)押すイメージが作れないので、何を作ればいいんだろう?何を描けばいいんだろう?ってなっちゃうんですよね。 だから、あ、これ面白いなっていう物語が見えたら、さっと描けちゃう。だから、それを根底に置いてたら面白いかな!楽しいかな!って思います。

聞き手 : ――やはり、楽しんで作りたいですよね

田和 : そうですね。趣味なんで。それがブレたらテイストが変わってきちゃうんで、それは嫌だなと。
これ(背の高いひまわりのはんこ)を売るなら(背伸びして水やりしている)子供とセットなんです。

聞き手 : ――売れたらもったいないとか、作ったものを売ることに躊躇はないですか?

桃太郎はんこセット

田和 : 私は作るのが楽しいので、作品が増えるよりかは、売れたほうがいいですね。
これ(右写真)は、子どもとお母さんが繋がりを持てたらなぁって、最近の(親子関係が)希薄な感じが好きじゃないというか、こういうのだったらお母さんが本を読んでる横で、子供が押したりとかできるのかな?とか思って。

聞き手 : ――はんこの持ち手をデコるっていうのはあまり見たことない気がするんですが、新しいですかこれは?

田和 : あんまりいない、と思います。持ち手をつけてる人も結構少ないんですよね。でも、私は絶対持ち手をつけるんです。(持ち手が)無いと変な風に押せちゃうので、嫌なんです。長年使うのに押しにくいのは嫌だし、あとマスキングテープも絶対使います。木の持ち手だと子どもが使って怪我したら危ないので。
あと、マスキングテープを貼ってると汚れも弾いてくれるんで、いいかなって。だから、持ち手とマスキングテープはセットで、これは絶対にやろうって。 マスキングテープはもう 100 個くらい集めちゃってて。
普通に使っちゃうのはもったいない気がするんですけど、ここ(持ち手)に使うのには全然勿体無くないんですよね。はんこにあった模様のやつを探してっていうのが面白いんです。

オーダーしました!
クラパカさんの消しゴムはんこ

聞き手 : ――今回、クラパカのはんこをオーダーさせてもらったんですが、作ってみてどうでしたか? 難しかったですか?

田和 : 目がちっちゃかったので、顔がちょっと難しかったですね。でも、他はそんなでもなかったです。(元絵の)髪型とかしっかり決まってるじゃないですか。「こんなふうに(デザインが)決まってるんだ」とか、それを色々見ながら作るのって、凄く楽しいんです。「(クラパカの)彼女はこうなってるんだ」とか、リボンとかメガネとか、凄く可愛くって。
クラパカさん好きだったんですけど、でもそういうのって勝手に彫っちゃダメじゃないですか。

聞き手 : ――え、そんなことないですよ!

田和 : え、そうなんですか!?普通ダメじゃないです?皆ダメだと思ってますよ?

聞き手 : ――クラパカさんは、自由に使ってもらって問題ないですよ。アルファベットのロゴはダメですけど、キャラクターであれば、モチーフとして自由に使っていただいて問題ありません。むしろ使ってください!宣伝になりますから!

田和 : そうなんですか!スゴイ自由なんですね。(笑)
クラパカさん好きな人って多そうだから、何か作る人いると思います!

聞き手 : ――あ、クラパカさん・はんこも、持ち手をつけてくれてるんですね。

田和 : もちろんです!消しゴムだけで来ると思ってて、持ち手があったら嬉しいじゃないですか。びっくり感がないと満足度が上がらないので、そのプラスです。

聞き手 : ――ここまでやっていただいて、あのお値段(400 円)でいいんですか?

田和 : 大丈夫です!上の部分は趣味なんで。
下は金額に入ってるんですけど、ここ(消しゴム)から上は趣味なんで。材料費はちゃんと含んでますし。あと、時給計算しても、これくらいなら 30 分もかからないので。
楽しんでやってるんでいいんです!

聞き手 : ――本当にありがとうございます。とっても満足です。これは、クラパカップの賞状に押させてもらいます!

田和 : 喜んでもらえてよかったです!

アタリが出たらもう一個どうぞ!

聞き手 : ――普段こうやって(袋に入れたり)包装されてるんですね。

田和 : 消しゴムってずっと入れてると、溶けて引っ付くんで、死んじゃうんです。だから、送る時は中に絶対“紙”を入れるようにしてます。あと、保管方法も書いて入れてます。「こういう風にしたら溶けちゃうので、やめてくださいね」っていうのを。

聞き手 : ――自分が買う立場だったら、ということをいつも考えているんですね

田和 : ただ売りたいわけではないので。だから、絶対持ち手もつけるし、綺麗に見えるように一応“ニス”を塗ったり。あと、送る時は包装してプチプチを入れたり。普通の封筒にポンって入って届いたらショックだろうなって思うので。

聞き手 : ――喜んでもらいたいんですね

田和 : そうですね。楽しいことが好きなんで。
新しいことを、他の人がやってないことをやりたいっていうのがあって、フリマでも、ガチャガチャの機械を買って、ガチャガチャの中にはんこを入れて、200 円で売ったりとか。
絶対子供が楽しんでくれるだろうなって。フリマで、ただ売っても面白く無いと思って。「アタリが出たらもう一個どうぞ!」って。(笑)
大人は、「あー、欲しかったのが出なかったー」って言うけど、子供は絶対言わないですからね。何が出ても、「やったー!」って、そういうのがかわいいなぁって。いい子だなぁって。
ま、(大人に)言われたら替えてあげますけど。

聞き手 : ――優しいですね。(笑)

田和 : 「えー」みたいな顔されるんで、それじゃあって。(笑)

はんこ作りは道具選びから

聞き手 : ――はんこって、どうやったらキレイに彫れるんでしょう?

田和 : えー…多分、道具ですね。自分が使いやすい道具を見つけること。私が最初、本を見てやり始めた時は、本の真似して(普通の)カッターでやってみたんですけど…これは無理だと思って、ちょっと太すぎて。だから自分で考えて、ホームセンターとかで、こういう(カッターなどの)コーナーを全部見て、いろいろ買いました。
いろいろ試して、行き着いたのがこれ(デザインナイフ)なんです。
友達が最近(消しゴムはんこを)始めて、「どうやるの?」って聞かれたんですけど、カッターでやってたんで、道具を一式プレゼントしたんですね。そしたら「道具って大切だね。全然違うし、めっちゃ早くなった!」って。
だから、やっぱり(道具は)大事みたいです。

考える人がいなかっただろうって事をやりたい。

田和 : 実は最近、ハマっている事がありまして、トリックアートのはんこを彫れないかなって。これを押して、真横からカメラで撮ると立体に見えるはずなんです。

聞き手 : ――本当だ!見えますね!立体です! これはお面白いですね!

田和 : (紙に押した、はんこの周りを)切ってみたり、他のものと一緒に撮れば、余計に立体に見えると思うんです。目で直接は見えないんですよ。目では見えないけど、写真で撮ると立体に見えるんです。
普通みんなトリックアートなんて描けないじゃないですか。描けないけど、これだったら誰でもトリックアートを体験できると思って。子供の知育教育にもいいかもしれない。
もうちょっと高度なこともやりたくて、それを今勉強中…というか、どうやって勉強するんだろう?って試行錯誤してるんです。

聞き手 : ――今後、消しゴムはんこを作ることで、夢はありますか?

田和 : 夢はそうですね、一回本を出してみたいですね。(津久井智子さんのような)こういう書籍が出せたらなぁとは思うんですけど、その前にブログとか、そういうので、活動を活発化させないといけないなぁ、と思っているところです。
後になればなるほど、ネタがなくなると思うので、厳しくなると思うので、(トリックアートみたいな)こういう新しいことを考えて行かないと。
今まで、考える人がいなかっただろうって事をやりたいですね。

(了)

本インタビューは 2013年6月22日 に行われたものです。

消しゴムはんこ作家

田和サトミ(たわ・さとみ)

岡山を中心に活動する消しゴムはんこクリエイター。『雑貨家Story』ブランドでオリジナル消しゴムはんこの創作活動を続ける。
2006年に消しゴムはんこに出会い、創作活動や講師活動を展開。
2010年6月には岡山放送「温★時間」に生出演。
2012年には「JESCA 消しゴムはんこ技能認定制度」の監修にも参加。

クラパカギャラリー「satomix」
JESCA プロフィール

インタビュー後記

田和さんは、とても明るく楽しい方で、「自分が作った消しゴムはんこで、人を笑顔にしたい」そういう思いを持って消しゴムを彫っているということが、お話を通じてじんわりと、そしてしっかりと伝わって来ました。
今後は、消しゴムはんこの講師の道にも進んでいきたいということですので、ぜひ多くの方に消しゴムはんこの楽しさを、その笑顔とともに伝えていってほしいと思います。

消しゴムはんこに興味を持たれた方は、ぜひ「JESCA 日本イレイサースタンプ振興会」のホームページをご覧ください。消しゴムはんこを楽しむための情報が満載です。


今回インタビューの場所として「カフェリンダ フェリーチェ東手城店」さんにご協力をいただきました。
同店は豆にこだわったコーヒーや、独自配合の小麦粉で作った特製ワッフルやパンケーキ等の多くのスイーツを喧騒を感じない落ち着いた雰囲気の中でゆったりと楽しむことができるお店です。
また、広い無料駐車場を備えたモール内にあるので、時間を気にすることなく過ごせます。
福山市近郊の方はもちろん、それ以外の地域の方も、お近くに来られた際にはぜひ一度足を運んでみてください。

カフェ・リンダ・フェリーチェ 東手城店

広島県福山市東手城 1-3-11.12(東手城ヘルスケアモール内)
電話番号/084-959-5555
営業時間/8:00~22:00(季節により若干の変更あり)
定休日/不定休

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