
『震える舌』ネタバレあらすじ結末と感想・解説・評価、さらに動画フルを無料で視聴する方法をこちらでは紹介します。
幼い少女が体を大きく痙攣させ、舌を噛む。舌を噛んだ口からは、大量の血液が溢れ出る『破傷風』という病気です。
聞くからに恐ろしい病気ですが、その恐怖を見事に描き切った映画があります。それが今回紹介する日本映画「震える舌」。
この映画は隠れた名作の一つで、ホラーとしても家族映画としても一級品ですよ。
『震える舌』作品情報とキャスト
作品情報
「震える舌」の作品情報は次の通りです。
- 作品名:震える舌
- 制作:1980年
- 原作:三木卓
- 監督:野村芳太郎
- 脚本:井手雅人
- 配給:松竹
- 制作国:日本
- 年齢制限:無し
- 時間:114分
キャスト
「震える舌」の主要キャストは次の通りです。
- 三好昭(渡瀬恒彦)
- 三好邦江(十朱幸代)
- 三好昌子(若命真裕子)
- 昌子の主治医・能勢(中野良子)
- 小児科医長(宇野重吉)
映画「震える舌」ネタバレあらすじとラスト結末
1.幼い少女・昌子に忍び寄る病魔
幼い少女・昌子(若命真裕子)が住む団地の前にある沼地で、昌子は遊んでいた。その途中、昌子は指先にケガをしてしまった。幸いそのケガはかすり傷で、少量の血を流しただけで済んだ。
その数日後、昌子の両親である三好昭(渡瀬恒彦)と邦江(十朱幸代)の夫妻は、昌子の様子がおかしいことに気がつく。
元気はなく、自分で食事を摂ろうとしないのだ。さらに昌子の歩き方が、通常のそれでは無かった…。
昭と邦江は昌子を病院へ連れて行くものの、はっきりとした答えが出ない。ついには心因性のものだと言われ、躾に厳しい昭のせいだと言われてしまう。
その夜のこと。昌子は激しい発作を起こした。舌を噛み血を口から噴き出す昌子。
昭と邦江は昌子を大学病院に運び込み、入念な検査をしてもらった。そこでくだされた診断は、「破傷風」という病気だった。
そのとき昭の指には、昌子の発作によって噛まれた傷があった。
2.破傷風という病気
破傷風と言う病気は、昭と邦江が考えていたよりも、かなり難しい病気だった。
昌子は些細な刺激で発作を起こし、全身をのけぞらせる。時には以前のように舌を噛み、口周りを血まみれにする。
そしてこの痙攣の発作は幾度となく続いた。
昌子の痙攣を防ぐため、病室は日光を通さないカーテンで覆われた。そして昌子の病室の周囲の人間は、音を出さないよう言い含められる。
ここまでしても、昌子は痙攣の発作を起こし続けてしまう。
痙攣を抑えるために、主治医たちは昌子に注射を打つ。しかし昭たちには、それが効果をもたらしているとは思えなかった。
そして入院してから2日。昭と邦江は昌子の症状が悪化していることを主治医に知らされる。
先の見えない昌子の症状に、昭と邦江は疲れ切っていく。
3.徐々に壊れてゆく家族
昌子の症状は改善せず、むしろ悪化するばかり。その結果、昌子は酸素テントの中に入れられてしまった。
そんな我が子の症状に、邦江は悩み苦しむ。昭もまた同様に苦しむが、内心別の不安があった。
昌子が発症した際に噛まれた傷から、自分自身も破傷風に感染していないかどうかの心配。
医師には「問題ない」と言われていても、その不安はぬぐえない。
不安はあるが妻に言えない。その上の空に様子に妻は夫へ不信感を抱く。
「夫は子供を大事に思っているのだろうか…」
昌子は重篤な病状に陥ってしまった。一時は心肺停止状態で、主治医たちは懸命な治療を施してくれる。そのかいあってか、昌子は一命をとりとめることができた。
昭と邦江は、交代で自宅に帰り、休憩を取る事にする。久しぶりに自宅に帰った昭は酒を飲み、昌子の思い出を噛みしめていた。
ラスト結末.チョコパンが食べたいよぅ
昌子が入院してから2週間がたった。一時は重篤だった症状も持ち直し、酸素テントも外された。昭と邦江は、希望を胸に抱くことができるようになった。
そしてとうとう、昌子がしゃべることができた。
体が弱っているにも関わらず、昌子は「チョコパン食べたいよぅ」と両親にせがむ。
「消化に良いものを」とたしなめても、昌子は聞く耳を持たなかった。そんな様子に、病室はホッとした空気で包まれた、
昭は、昌子に飲ませるためのジュースを買いに走る。買いに走りながら、昭の胸は安堵で包まれていた。昌子は病魔に打ち勝ち、生きることができたのだ。
映画「震える舌」感想・評価【身近に存在する恐怖を描いたホラー作品】
映画「震える舌」には、一見愛らしい少女が病魔に侵され、全身を仰け反らせながら絶叫する、というシーンが多く含まれています。
その叫びは真に迫り、聞いているだけで全身の肌が粟立つよう。
私達にとって、病気とは身近なものです。自分や家族が、恋人が、病魔に侵された経験のある人は多いことでしょう。そして「震える舌」の影の主人公・破傷風菌は、私達の本当に傍に存在するものでもあります。
そこら辺の砂に、泥の中に、昌子を苦しめた破傷風菌は実在しているのです。
そう考えてしまうと、「震える舌」はただのホラーではありません。私達の誰にでも、昌子や昭、邦江と同じ立場に立つ可能性があるのです。
ホラーを越えたホラー。ウイルスが全世界に蔓延するパンデミック映画よりも、もっと想像しやすく感情移入しやすい恐怖です。
じわじわと迫りくる恐怖。幽霊や化け物などとは比べ物にならない、現実味のある恐怖。
そしてその恐怖を余すことなく伝えてくれるのが、夫役の渡瀬恒彦、小児科医長役の宇野重吉、昌子を演じた・若命真由子といった名優陣の演技です。
若命真由子の演技は言うに及ばず、渡瀬恒彦の「台詞より、『演技』で伝える」素晴らしさや、ぼそぼそとしゃべる宇野重吉の存在感。
全てが上手くかみ合った結果、「震える舌」を恐ろしくも語りつがれる名作へ押し上げています。
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