
『フィフス・ウェイブ』のネタバレあらすじと、感想・考察・評価を紹介します。
『フィフス・ウェイブ』作品情報とキャスト
作品情報
「フィフス・ウェイブ」の作品情報は次の通りです。
- 作品名:フィフス・ウェイブ
- 制作:2016年
- 原題:The 5th Wave
- 監督:J・ブレイクソン
- 脚本:スザンナ・グラント、アキバ・ゴールズマン、ジェフ・ピンクナー
- 配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 制作国:アメリカ
- 年齢制限:G
- 時間:112分
キャスト
「フィフス・ウェイブ」の主要キャストは次の通りです。
- キャシー・サリヴァン(クロエ・グレース・モレッツ)
- ベン・パリッシュ(ゾンビ – ニック・ロビンソン)
- オリヴァー・サリヴァン(ロン・リビングストン)
- リサ・サリヴァン(マギー・シフ)
- エヴァン・ウォーカー(アレックス・ロー)
- レズニック(マリア・ベロ)
- リンガー(マイカ・モンロー)
- ヴォーシュ大佐(リーヴ・シュレイバー)
- サム・サリヴァン (ザカリー・アーサー)
「フィフス・ウェイブ」ネタバレあらすじとラスト結末
1.突如現れた未確認飛行物体アザーズ
ごく普通の高校生だったあの頃の自分が恋しいとキャシー(クロエ・グレース・モレッツ)は思う。
親友リズとのおしゃべりや、意中の同級生ベンとのぎこちない会話。当たり前だった毎日が、ある日突然壊れた。
地球の上空に、突如巨大な物体が現れたのだ。その未確認飛行物体は、緩やかに地球の周りをグルグルと周回しており世界中の人々が騒ぎ立てる。
オハイオ州に住むキャシーは、家族でこのニュースを見ていた。物体がちょうどオハイオ州上空にあると報道されたため、外へ出てみると黒っぽい不気味な形をした大きな宇宙船が空にぽっかりと浮かんでいる。
それはアザーズと呼ばれるようになる。そしてある日アザーズは、電磁パルスで電子機器を破壊し始めた。
電気や水道も使えなくなり、穏やかな日常が消える。これが第1波だった。キャシーは、両親や幼い弟サムと何とかオハイオで生活する。
続いて第2波が始まり、各地で地震や津波が起こると沿岸都市や多くの島が消滅した。アザーズ(ザカリー・アーサー)はぽっかりと上空に浮かんだままである。
第3波では鳥インフルエンザでの死亡者が増え、それは世界中に広がった。残念なことに、医療関係者であったキャシーの母親もこれに感染し亡くなった。
そこでキャシーと父親、サムは難民キャンプへ向かう。難民キャンプでは、300人程度の人々がそれぞれテントを張り生活していた。
父親はキャシーに、銃を渡し使い方を教える。驚いたキャシーは、「ここは安全じゃないの?」と尋ねるが、父親は「もはや安全な場所など無い」と答えた。
2.軍によって引き離される親と子供
ある日、難民キャンプにスクールバスが複数台やって来る。これらの代表である陸軍大佐のヴォーシュは、基地からやって来たらしく皆を救出すると言う。大喜びする人々。
しかし彼らは、まずは子供から優先的に避難させると言って、大人と子供を引き離した。子供はスクールバスに乗りこみ、大人は説明会のため食堂に集められたのだ。納得がいかないキャシーの父親も、子供の安全を考え先にバスで行かせることにする。
キャシーは「軍人の言いなりになる必要はない」と言い放ったが、サムとバスに乗り込む。
しかしバス内でサムがお気に入りのクマのぬいぐるみを忘れたと言い出し、キャシーはサムの代わりに大急ぎでテントへ戻る。しかし、その間にバスが出発してしまった。
一方で食堂に集められた大人達は、大佐から衝撃的な事実を伝えられる。
実はアザーズが船から地上に降り、人々に寄生し言語や行動を乗っ取り始めたと言った。それは第4波の始まりを意味する。
大佐は、アザーズの見た目は人間と変わらないので、このキャンプの中にも紛れ込んでいる可能性があると主張した。よってその検査のため、大人達を子供とは別の施設に移送すると言うのだ。
騙すようにして家族を引き離した大佐に対し、人々は声を荒げ反論する。
大混乱となった食堂では撃ち合いが始まり、それをこっそり見ていたキャシーは怖くなって隠れた。その後軍人らが居なくなって中へ入ると、皆殺されておりその中にはキャシーの父親もいた。キャシーは悲しみのあまり、泣き崩れる。
3.軍の目的は子供達の徴兵だった
一方サムを乗せたスクールバスは、基地に到着した。その中にはキャシーの同級生ベン(ニック・ロビンソン)の姿もある。
子供らは皆、在所を追行できる探知機をうなじ部分に埋め込まれた。女性のレズニック軍曹らは、彼らを貴重な戦力とみなしていたのだ。
保護とは名ばかりで、子供らは軍から徴兵されたのである。
キャシーは、サムのいる基地を目指し1人森を彷徨う。スーパーマーケットを見つけたキャシーが中へ入ると、奥の部屋から助けを求める男の声がした。
男は怪我をしているから助けてくれと言い銃を下に置くが、キャシーは彼を殺してしまった。その後の道中で、キャシーはアザーズに見つかり足を撃たれるが、エヴァンという青年に助けられる。
エヴァンはキャシーを自分の家に匿い、傷の手当てをした。最初は疑っていたが、徐々にエヴァンに心を許していくキャシー。キャシーが弟のいる基地を目指し出発すると言うと、エヴァンも基地まで送ると言った。
基地では子供らがチーム分けされ、第5波、すなわちフィフス・ウェイブに向けて、アザーズと戦うための訓練が始まる。
総指揮官は、先日難民キャンプにやってきた大佐だった。子供達は、この男が自分らの親を皆殺しにしたと知らない。偶然にもサムとベンは同じチームだった。
さらに問題児のリンガーも、途中からチームの一員となる。リンガーは強気な女の子だが、徐々にリーダーのベンと打ち解けていく。
ある日ベンが大佐に呼ばれた。遂にアザーズからの攻撃、フィフス・ウェイブがやって来たのだ。大佐はベンにチーム全員を引き連れ、アザーズと戦うよう命令を出す。
子供らには、敵と味方を見分けることができる特殊なヘルメットが渡された。ヘルメットを被りレンズを通して敵を見ると、緑色に光るのだ。
ラスト結末.アザーズとの戦闘
キャシーとエヴァンは歩いて基地を目指す。キャンプをしながら、2人は色々なことを語り合った。ある晩2人はキスをし肉体関係も持つ。
ベンとチームの一員はヘリに乗り込み、基地の外へ出る。その際ベンは、幼いサムをトイレに拘束し出られないようにして守った。廃虚に降りた一員は、ヘルメットのレンズから見て緑色に光る人物を次々と射殺していく。しかし仲間の1人が殺され、メンバーも危機的な状況へ追いやられる。幸いリンガーが機転を利かせたおかげで、皆は安全な場所に避難できた
。
しかしリンガーは軍やこのミッション自体に疑いを持ち始めており、除隊すると言う。
その後、ヘルメットを外したリンガーが緑色に光ったことをきっかけに、ベンが自分達は生存者の人間を殺していたのだと気付く。
即ちこれは大佐らの陰謀で、軍こそがアザーズに乗っ取られていたのだ。チームの全員は首に埋め込まれた探知機を外し、このまま逃亡することにした。ベンは、置いてきたサムを連れ戻すため1人で基地に戻る。
一方キャシーは、エヴァンが相当な戦闘能力を持ち、多くのアザーズを殺すのを見てしまう。
キャシーがそのことについて問いただすと、何と彼はアザーズの一員だったのだ。
エヴァンは、アザーズは愛という観念を信じないと言う。しかしキャシーと出会ったことで、彼女を助けたいという人間的な感情が芽生えたと話した。エヴァンは半分がアザーズであり、半分は人間なのだ。
ショックを受けたキャシーは、「力になりたい」と言うエヴァンを跳ね除け、1人でサムを探しに向かった。
キャシーの去り際に、エヴァンは軍がアザーズの支配下にあることを伝える。その後キャシーは通りがかりの軍のスクールバスに拾われ、基地の内部に侵入することができた。
基地内に戻ったベンとキャシーは再会し、共にサムを探す。ベンは大佐に嘘を見破られたが、緊急事態が発生したため、どさくさに紛れて逃げだしたのだ。
その後サムを探す2人は絶体絶命のピンチに遭遇するが、突如現れたエヴァンに助けられる。
エヴァンは基地内に爆弾を仕掛け、子供らが全員戦闘に出されたらそのタイミングで爆破させると言う。エヴァンは、アザーズよりも愛するキャシーを優先した。
大勢の子供の中からサムを見つけた2人は、基地の建物の外へ出た。キャシー達はヘリで逃げようとしていた大佐に見つかるが、そこへジープに乗ったリンガーが現れ、3人を救助する。
ベンのチームにはキャシーとサムが加わった。皆で火を囲みご飯を食べながら、人間らしいひとときを過ごす。
「フィフス・ウェイブ」の感想・考察・評価
本作品は、海外のヤングアダルト小説をもとに製作されています。よってこの映画は終末感が漂う薄暗い地球が背景でありながら、若者らの交流や友情、恋愛が濃密に生き生きと描かれているのが1つの特徴です。
ティーン向けに書かれた物語を、大人も楽しめるSF映画に仕上げたと言っても良いでしょう。
第1波から第3波までの説明を簡潔に済ませ、第4波~第5波までがゆっくりと描かれているので、ストーリーはサクサクと心地良く進みます。
また難民キャンプでのパニックや「リンガー」という個性的なキャラクターの登場など、所々に刺激的な見せ場が用意されているので、中だるみもしません。
ラストシーンではクロエ・モレッツ演じる主人公キャシーが、希望こそが人間である証と気づく着地となっています。
それは半分アザーズであったエヴァンから、救済された結果生まれた感情かも知れません。
愛という不可解でありながら尊い存在。キャシーが、本来はエイリアン側であるエヴァンとの絆を深めることで、自分達人間の持っているものをしっかり自覚できたという結末が素晴らしく爽快です。
もちろんクロエ・モレッツが激かわいいので彼女のファンは必見です。


