
映画「ブリグズビー・ベア」のネタバレあらすじと感想・考察、さらに無料で視聴できる情報をお伝えします。
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「ブリグズビー・ベア」の作品情報とキャスト
作品情報
「ブリグズビー・ベア」の作品情報は次の通りです。
- 作品名:ブリグズビー・ベア
- 原題:Brigsby Bear
- 制作:2017年
- 監督:デイブ・マッカリー
- 制作国:アメリカ
- 時間:97分
- 年齢制限:G
- 配給:カルチャヴィル
キャスト
「ブリグズビー・ベア」の主要キャストは次の通りです。
- ヴィー・デルモニコ(エマ・ロバーツ)
- イアン(デイヴ・フランコ)
- ナンシー・デルモニコ(ジュリエット・ルイス)
- シドニー(エミリー・ミード)
- トミー(マイルズ・ハイザー)
「ブリグズビー・ベア」ネタバレあらすじとラスト結末
1.25歳まで監禁されていた青年
ジェームス(カイル・ムーニー)は、両親と地下のシェルターで暮らしている。生まれて以来、地上は大気が汚染されていると聞かされているので地下に籠りっきりであった。
ジェームスはもう25歳になるが、『ブリグズビー・ベア』という教育番組に夢中である。部屋にはこの番組のキャラクターであるクマの「ブリグズビー」のグッズが至る所に転がっていた。
この子供向け特撮番組のVHSビデオは毎週届き、ジェームスはこれについて考察や意見をSNSにアップしている。
ある晩ジェームスはガスマスクを着け、地上に上がりそこから景色を眺めていた。すると遠くからたくさんのパトカーがやってきたため、「何かが来た」と両親に知らせる。その後ジェームスは警官に連れられ、両親も警察に取り押さえられた。
警察署でヴォーゲル刑事(グレッグ・キニア)は、ジェームスにコーラを勧める。ジェームスが長年両親だと思っていたテッド(マーク・ハミル)とエイプリル(ジェーン・アダムス)は、誘拐犯だった。
ジェームスは幼いころに、彼らに誘拐されたまま外の世界を知らずに生きてきたのだ。その後ジェームスは生みの親を本当の両親だと紹介され、その日以来彼らの家で過ごすこととなる。
再会した時、父親のグレッグ(マット・ウォルシュ)と母親のルイーズ(ミカエラ・ワトキンス)は、喜びのあまりジェームスを抱きしめた。
ジェームスは出会ったばかりの両親から小奇麗な自分の部屋を案内されるが、ぼんやりとしている。実の両親からすれば、ジェームスはずっと探し求めていた息子なのかも知れないが、ジェームスからすれば見知らぬ他人であるからだ。
食卓での雰囲気も気まずく、妹のオーブリー(ライアン・シンプキンズ)はジェームスのことを白い目で見る。
2.本当の家族とのぎこちない生活
ジェームスはテレビを観て、ブリグズビー・ベア以外の番組があることを初めて知る。そこで父親のグレッグはジェームスの世界観を広げようと考え、後日映画館へ連れて行った。ジェームスは劇場で興奮し、一時的に夢中になる。
その後両親は心理カウンセラーのところへジェームスを連れて行き、カウンセラーを含めた4人で会話をした。
しかしジェームスの興味の対象は新しい世界の生活ではなく、ブリグズビー・ベアの1点に集中していた。またカウンセラーの話から、ブリグズビー・ベアは誘拐した父親テッドが製作していたのだと知る。テッドは警察に捕まってしまったので、今週のエピソードは届かない。
またジェームスは、自分以外の人達がこの番組の存在を知らないという事実にも傷付く。ジェームスはテッドからパソコンを与えられていたが、インターネットには繋がっていなかった。SNSで他者とのコミュニケーションを取っていたつもりのジェームスだが、実は偽の両親が全てコメントしていたのだ。
現実を知らされたジェームスはがっくりと肩を落とすが、映画は誰にでも撮ることができると知る。
自室に戻ったジェームスは、ネットで映画の作り方について調べまくった。ブリグズビー・ベアを映画化するつもりの彼は次々に絵コンテを描いていく。
そんな時妹のオーブリーに誘われ、彼女の友人らのパーティに参加し、スペンス(ジョージ・レンデボーグ・Jr)に出会う。スペンスはオーブリーの男友達で、スター・トレックの大ファンでもあった。
ジェームスはパーティの間、ずっとブリグズビー・ベアの話をし続ける。そこでメレディスやスペンスなど一部の人達が、ブリグズビー・ベアに興味を持ってくれた。ジェームスは、自分が偽の父が作った番組を映画化するとカミングアウトする。
3.良き理解者の出現
酒、ドラッグ、はじめてのキス。これらをたった1晩で一気に経験したジェームスは、パニックに陥り裏庭に逃走する。
スペンスの部屋で目を覚ましたジェームスは、彼の部屋に貼ってあるSF映画のポスターに興味を示した。一方スペンスもジェームスを自宅まで送る際に、ブリグズビー・ベアのビデオを借りる。
ブリグズビー・ベアを映画化するためには、番組に使用された様々な小道具が必要だが、それらは全て警察に押収されていた。ジェームスは警察に出向き、ヴォーゲル刑事に相談する。
学生時代演劇部で役者をしていたヴォーゲルは、ルール違反であったが一部の小道具をジェームスに渡した。その中にはブリグズビーの被り物もあり、ジェームスは大喜びだった。
またスペンスからも連絡が入り、2人はブリグズビー・ベアについて語り合う。SFマニアのスペンスは、この作品の価値をよく理解していた。
スペンスはブリグズビー・ベアをビデオデッキなしで視聴できるようにYOUTUBEにアップしており、既に何百回も再生されている。今回は本当に、世の中の人がブリグズビー・ベアを観ているのだ。このことが、ジェームスの心を動かした。
スペンスの提案で、ジェームスは翌日からさっそく映画のロケを開始した。これには、ヴォーゲルも役者として協力する。ある時は、撮影がてらキャンプにも出かけた。そこでオーブリーやパーティで出会ったメレディスとも楽しい時を過ごす。
しかしその晩の撮影で、ジェームスが手製の爆破装置を使用したため、ちょっとした火災が発生し警察に見つかってしまう。
ラスト結末.ブリグズビー・ベアへの情熱
警察に連行されたジェームスは、警察官から「手製の爆破装置を使えばそれはテロ行為にあたる」と言われる。また実の両親は、自分から子供を盗んだ男の作った番組にジェームスが夢中であることが許せない。事件後グレッグは、遂にその怒りをジェームスにぶちまけてしまった。
スペンスから車の運転を習っていたジェームスは、1人で車に乗り家を飛び出す。その後ジェームスは昔ブリグズビー・ベアに出演していた女性を訪ねるが、その際また警察に見つかった。
ジェームスにとっては、クマのブリグズビーが唯一のヒーローだ。また幼いころからこれを観て育った彼にとっては、この番組が全てであった。しかしジェームスの番組に対しての熱狂ぶりは周囲の人間に理解されず、むしろ異常とみなされた。
グレッグはどうしようもなくなり、息子を精神科に入院させる。一方オーブリーは両親に、ブリグズビー・ベアのロケ風景を見せる。映像の中でジェームスは、楽しそうにはしゃいでいた。
ジェームスはその後病院から脱出し、自宅に戻る。そこではジェームスの家族やスペンス、ヴォーゲルがジェームスの映画を仕上げようと必死であった。
両親は考えを改め、ブリグズビー・ベアが大好きなままのジェームスを受け入れようとしたのだ。ジェームスは家族と和解し、再び映画の製作に取りかかる。ナレーションは、獄中のテッドに頼んだ。
その後『ブリグズビー・ベア』は無事完成し、劇場公開された。プレミア上映では観客と共に、ジェームスの家族や仲間らも作品を楽しむ。
映画が終わると、ジェームスは激しいスタンディングオベーションを浴びた。そんな中ジェームスは、ブリグズビーの幻をほんの一瞬だけ見る。
映画「ブリグズビー・ベア」感想・評価・考察【私たちは虚構に支えられている】
本作品はインディペンデント映画ですが、サンダンス映画祭やカンヌ国際映画祭などで大変話題になりました。日本では2018年に小規模ですが公開されています。
やたらと頭のでかいクマが登場し、B級感溢れる作品でありながら「我々がいかにに虚構に支えられ生きているか」を実感することができる良作です。
ストーリー前半はこれまで閉鎖的な世界で生きてきた主人公ジェームスが、外の世界に適応する難しさが描かれています。育ての親と、突然離れ離れになってしまうジェームス。
世間からは犯罪者呼ばわりされても、ジェームスからすれば親しみのある人物をいきなり否定されるのですから納得出来るわけがありません。新しい家に案内されても、複雑な気分になるのは当然でしょう。
このようなシーンは監禁された親子の脱出劇とその後を描く映画『ルーム』のテーマとも似ています。
しかし後半になるにつれ、本作のテーマは「作者の人格と作品への評価」や「おたくとしての生き方」などに移行していきます。カウンセラーや実の父親は、主人公に新しいことを学ばせ現実を教えようとしますが、上手くいきません。
その代わり主人公は好きな物を徹底的に愛することで、降りかかった困難を払いのけていくのです。このようなオタクを謳歌するストーリーは、SF好き、映画好きには堪らない展開と言えるでしょう。
誘拐犯でありながらあたたかい物語を作り続けた父親を、『スター・ウォーズ・シリーズ』ルーク役のマーク・ハミルが好演しています。
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